ワクチン接種数時間後にアナフィラキシーショック⁉

query_builder 2025/06/21
ワクチン接種数時間後にアナフィラキシーショック⁉

今日は混合ワクチンによるアナフィラキシーショックの症例です。


接種直後ではなく、2時間の経過後に発症というレアケース。


…何とか助かったので投稿できます。



1歳4か月ミックス犬の女の子。


ワクチンの追加接種の時期でしたので、

去年と同じものを注射。


何事もなく帰宅し元気そうだったので、

オーナー様はお買い物へ。


2時間後に戻ると、ワンちゃんの顔が腫れている‼


程なくして嘔吐‼


顔の腫れよりも「嘔吐」が不安なので

急きょ来院いただきました。



来院時は確かに目の周りがむくんでいましたが、

尻尾を振る余裕あり。


ですが、唇をめくってみると…

IMG_6431

白っ!!


循環不良起こしている兆候…


2時間後にアナフィラキシー⁇



さらなる裏付けのために腹部超音波検査を実施したところ

スクリーンショット (308)

普段は観察できない胆嚢壁がくっきりと見えるようになっている…


心臓に問題はなく、血管から体液が漏れ出して浮腫を起こしているということなので、

やはりアナフィラキシーショックと診断。


急いで治療です!


・アドレナリンで血管を締めて体液の漏出を抑制、血圧維持

・輸液を多く流して循環の維持

・抗ヒスタミンとステロイドでアレルギー反応の抑制


基本このような3本柱で対応していきます。



…が、ショック治療とは難しいもので

思い通りにはいかないもの。


そして短時間に病態の変化や悪化が進行することも多く、

自信をもって助けられるとは言えない治療です。



やはり治療開始後は病状は進行し、

嘔吐、下痢などさらなる体液の喪失が起こりました。


血液中のアルブミン(タンパク質)も腸や血管から徐々に漏れ出ているようで、

起きては欲しくない低アルブミンに向かってしまいました。

スクリーンショット (317)

アルブミンが2.3と下がってくると、

超音波検査で腹水がたまり始めて来ます。




IMG_6494

さらに夜中にかけて徐々に心拍数が低下…。


ショックでの徐脈は予後不良のサイン?


ちょっと泣きそうな気持になりますが、

落ち着いて30分~1時間ごとに薬剤の種類や投与量を微調整。

全集中!!



そして粘ること治療開始40時間!


ついに心拍数が上昇して安定!

IMG_6495

超音波検査にて、

胆嚢壁の浮腫および腹水の消失!

Imagerin03



血中アルブミンも上昇!

スクリーンショット (316)

そして、歯茎の色もバッチリ!!!

IMG_6456


助かったー

良かったー

ほっとしたー

眠ーい。



何はともあれ、元気に退院できて何よりでした!

良くなれば疲れも吹っ飛びます!


過去に複数回注射歴のあるワクチンでしたが、

なぜか今回に限って大事件となってしまいました。


もぐ動物病院でのアナフィラキシー自体少ないですが(数年に1度)、

ワクチン接種後15分以内にアナフィラキシーショックを起こすことが一般的なため、

過去の事例は院内で即対応となりました。


しかし今回は2時間の経過の後に発症しており、

逆算するとワクチンは閉院2時間前までに接種すべきかもしれません。


もちろんホームドクターとしては夜間も対応しているので終わるギリギリでも接種しますが、

こういうことを経験するとリスクを感じざるを得ません。


顔が腫れるだけであればアレルギー予防策を講じての接種として良いと思われますが、

アナフィラキシーの場合はワクチン抗体価測定で毎年対応していくことが推奨されます。

狂犬病予防接種は猶予証明で対応します。


狂犬病も含めワクチンのおかげでウイルス感染症が身近に蔓延せず、

皆様のおかげで安全な日常を送れています。


日々感謝です!

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もぐ動物病院

住所:東京都 日野市 百草 204-1

ガーデンビュー石神D1F

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