すごいなラゲブリオ!もちろんドライタイプもね!

2024/01/26 ブログ

救急症例が多く波乱の年明けで、新年始めが下旬になってしまいましたが、皆様今年もよろしくお願いします。

 

さて、昨年に引き続きFIPシリーズの報告です。

今回は過去3例とは違う、神経症状なしの単純ドライタイプ。

 

2歳のオス猫ちゃんで、発熱と食欲不振と軟便で受診。

超音波検査で腸間膜リンパ節が腫れていたので、血液検査と合わせてFIPを疑いました。

 

確定診断にはPCR検査が必要ですが、腹水がないタイプなので…

この症例は腫れ腫れのリンパ節から細胞を採取して、検査を行いました。

 

 

 

結果は

解釈のポイントはコロナウイルス陽性で、FIP変異株(バイオタイプ)かどうかということ。

「限界以下」というのは陽性だけど細胞が少なかったため、ウイルス検出が微量ということで、変異株でなければFECVという結果になります。

そもそもウイルス感染がなければ陰性です。

 

ということで、やはり猫伝染性腹膜炎。

FIPです。

 

リンパ節を刺す際にちょっと嫌がったので1回の採材で検査に提出しましたが、

複数回やった方がよかったなと…反省です。

 

 

診断付いたら治療はもちろんラゲブリオ!

下痢もありましたが、やはり高価だし、苦くて投薬が大変なので1種類を確実に頑張ってもらいました!

「とにかく信じて1週間投薬できれば元気になってくるはず」と応援して、7日分処方。

 

途中に検査結果を報告した際の返信メールでいただいたのが

投薬開始2日目の夜(60時間後)のことですので、反応は良好!

それまで全く食欲がなかったので、早く効いてくれてうれしかったですね。

 

一週間後の再診では節約のため、検査はせずに1カ月分のお薬を処方しました。

 

先日1カ月たったので再診に来たところ、体重も増えて絶好調な様子!

超音波検査でリンパ節も分からないくらい小さくなっていました。

他の症例もそうですが、体重増加は予後良好の兆候だと感じています。

概ね10%程度で、この子も4.5㎏→5.2㎏となかなかの増加っぷりです!

 

FIPはタイプに関係なく、

・投薬1週間を乗り切ればだいたい元気食欲が改善。

・1カ月で体重増加傾向にあれば完治可能。

・下痢や黄疸はFIPの治療をしていれば自然治癒力で何とかなる。

・神経症状も日常生活可能に自然治癒力で戻る(ただし…)。

もぐ動物病院ではこんな印象です!

 

 

内服の方が注射よりも費用的な絶対メリットがありますので、

困っている方は猫ちゃんが投薬可能なうちにご相談ください!

 

 

…ベクルリー注射はもぐ動物病院的に内服の50倍⁉

…準備はしてありますが

…無理だろー‼