すごいなラゲブリオ!もちろんドライタイプもね!
救急症例が多く波乱の年明けで、新年始めが下旬になってしまいましたが、皆様今年もよろしくお願いします。
さて、昨年に引き続きFIPシリーズの報告です。
今回は過去3例とは違う、神経症状なしの単純ドライタイプ。
2歳のオス猫ちゃんで、発熱と食欲不振と軟便で受診。
超音波検査で腸間膜リンパ節が腫れていたので、血液検査と合わせてFIPを疑いました。
確定診断にはPCR検査が必要ですが、腹水がないタイプなので…
この症例は腫れ腫れのリンパ節から細胞を採取して、検査を行いました。
結果は
解釈のポイントはコロナウイルス陽性で、FIP変異株(バイオタイプ)かどうかということ。
「限界以下」というのは陽性だけど細胞が少なかったため、ウイルス検出が微量ということで、変異株でなければFECVという結果になります。
そもそもウイルス感染がなければ陰性です。
ということで、やはり猫伝染性腹膜炎。
FIPです。
リンパ節を刺す際にちょっと嫌がったので1回の採材で検査に提出しましたが、
複数回やった方がよかったなと…反省です。
診断付いたら治療はもちろんラゲブリオ!
下痢もありましたが、やはり高価だし、苦くて投薬が大変なので1種類を確実に頑張ってもらいました!
「とにかく信じて1週間投薬できれば元気になってくるはず」と応援して、7日分処方。
途中に検査結果を報告した際の返信メールでいただいたのが
投薬開始2日目の夜(60時間後)のことですので、反応は良好!
それまで全く食欲がなかったので、早く効いてくれてうれしかったですね。
一週間後の再診では節約のため、検査はせずに1カ月分のお薬を処方しました。
先日1カ月たったので再診に来たところ、体重も増えて絶好調な様子!
超音波検査でリンパ節も分からないくらい小さくなっていました。
他の症例もそうですが、体重増加は予後良好の兆候だと感じています。
概ね10%程度で、この子も4.5㎏→5.2㎏となかなかの増加っぷりです!
FIPはタイプに関係なく、
・投薬1週間を乗り切ればだいたい元気食欲が改善。
・1カ月で体重増加傾向にあれば完治可能。
・下痢や黄疸はFIPの治療をしていれば自然治癒力で何とかなる。
・神経症状も日常生活可能に自然治癒力で戻る(ただし…)。
もぐ動物病院ではこんな印象です!
内服の方が注射よりも費用的な絶対メリットがありますので、
困っている方は猫ちゃんが投薬可能なうちにご相談ください!
…ベクルリー注射はもぐ動物病院的に内服の50倍⁉
…準備はしてありますが
…無理だろー‼