富士フィルムAU10!新たな院内検査導入しました!

2022/04/12 ブログ

だいぶ気温も上がってきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

もぐ動物病院に新たに導入した血液検査機器を紹介したいと思います。

「富士ドライケム IMMUNO AU10V」

免疫反応を測定する機器で、10分で結果が出るということでこのような名前になったとのことでです。

・SAA 猫の炎症マーカー

・T4&TSH 犬の甲状腺機能低下症の診断

・COR 犬の副腎皮質機能の検査

・TBA 犬猫の肝機能検査

などなど、項目は少ないですが意外と有意義な検査たちです。

 

今までは検査センターで測定していましたが、結果が翌日となってしまうため

早く行うべき治療の開始に影響が出ていました。

 

さっそくですが、今日外来の症例は体調不良の猫ちゃん。

今までの血液検査のみでは下の写真のように白血球が正常となりますが

SAAを測定すると…

結果 128.5(正常参考基準範囲≦5.49)

 

このように病的状態であることが分かりました。

 

白血球のみで判断すると油断してしまいますね。

猫で炎症マーカーが反応しやすい病気は急性膵炎と猫伝染性腹膜炎などがあり、

ちなみに今回のこの結果…

猫伝染性腹膜炎(FIP)を疑っています…

 

仮診断としてはかなり悪い部類で、違ってほしいところです。

治療に関しては…後日良い報告ができればよいのですが…

 

といった感じで、今までよりスピードと診断へのアプローチが1段上がります。

他にも救急分野での副腎皮質機能低下症の副腎クリーゼといったショック状態などのなどで、とにかくすぐに結果が必要となる場合に救命率が上がります。

今後の活躍が期待できる検査になると思います!