すごいなラゲブリオ!こんなFIPまで!?
2023/06/22
症例
6か月齢の猫ちゃん。
突然歩けなくなって、おしっこも出ないとのこと!
膀胱の圧迫や、抱き上げたときに尿漏れという下半身麻痺状態。
元気食欲なし。
腰部椎間板ヘルニアのような神経系の症状ですが、これおそらくFIP。
胸水・腹水などが認められないドライタイプ疑い。
診断の根拠は血液検査の結果
1.貧血
2.高グロブリン血症
3.SAAの上昇
この3つ。
ということで前回の投稿と同じくラゲブリオ投与してみました。
ラゲブリオの欠点は、その味!
苦いっ!!
でも飲めるなら注射よりは低コスト!
ということで、よだれと戦いながら投薬を続けてもらったところ…
治療開始1週間で食欲UP↑
2週目で少し足が動くように↑
3週目には診察台から逃げられるくらい、後ろ足が動くようになりました!
自力排尿もできているようです。
元気もばっちり!
SAAも正常値に下がり、炎症反応も改善。
顕著な改善傾向にあり、とても良好です。
ただし…
高グロブリン血症はまだ改善していないので、
まだ体内ではFIPウイルスと戦っている状態のようです。
見た目良くなっても、まだまだ油断できません。
最低でも84日は投薬を続ける必要がありますが、
血液で経過を追うと、その投薬期間も妥当かと思えそうです。
まだ治療は完結していませんが、
とりあえず今回もラゲブリオに救われました。
麻痺という症状でしたが、治療はただラゲブリオのみ!
ステロイド薬など他の薬は処方していません。
初めは排尿を家でサポートしてもらっていましたが、
現在は1日1回の投薬のみの状態で、ご家族の負担もかなり軽減されています。
「ちょっとこの薬すごいです!」