まぶたのイボを無麻酔、レーザーで消す!
テレビではレーザー治療のCMが多いですが、
おもにシミや脱毛といった美容が人気なジャンル。
もぐ動物病院のレーザーはどんなもの?
ということで、
今日は外来でのレーザーを使った症例の1つ紹介します。
20㎏くらいのラブラドール風のワンちゃん。
まぶたのイボが大きくなったとのことで来院。
結膜炎の原因ともなっているようで、涙ヤケも目立ってきています。
レーザーの医療機器にもいくつか種類がありますが、
今回使ったものは半導体レーザーというタイプです。
普段の手術でもレーザーメスとして使っています。
熱で細胞を壊していく処置なので、痛みに似た熱さがあります。
その温度は瞬間的に600-700℃といわれていますが、
瞬間的というところが重要で、
他の電気メスや超音波メスと違ってピンポイントに当てられて、
周囲の組織への熱ダメージがほとんど起きないのが特徴です。
(あったとしてもお湯をこぼして赤くなる程度)
そんな特徴を生かした処置後がこちら
すっきりしましたでしょ?
少しまぶたが赤いですが、冷やせば治まります。
処置時間はわずか数分です。
まぶたは動かれると眼球に危険がおよぶので、安全を考えれば鎮静が必要ですが、
今回は我慢強いワンちゃんだったので、ちょっとかわいそうですが頑張ってもらいました。
おかげで麻酔代、麻酔前の血液検査代、入院代などがかからず、
良くも悪くも走って帰っていきました!
レーザーの欠点は組織が残ることがあるので、イボが再発することがあるといったところでしょうか。
ただし、まぶたのケースは外科切除となると術後管理も重要ですので、
エリザベスカラーをしたり、抜糸などで通院が必要となります。
もちろんその分金額も大きく変わってきます(桁で!)
それより何よりレーザーの良いところは術後何もしなくてよいよいうところ!
感染が起きた時以外、基本的に点眼も内服も処方しません。
高齢にならないとこのようなイボもできないので、
全身麻酔のリスクも避けられ、オーナーには喜んで頂けました!
CMのように1か所8000円~いただきたいとこですが、
当院では現在その半分程度といったところでしょうか。
病院としては大変ですが、
簡単なイボであれば気軽に処置してあげたいですね。
トリミングついでなど、実際に依頼はよくありますよ。