すごいなラゲブリオ!ウエットタイプはバッチリ!

2023/12/15 症例

今年はFIPに対するラゲブリオ(モヌルピラビル)の記事をいくつか書きましたが、

腹水+神経症状のウエットタイプ、そして神経症状のみのドライタイプでしたね。

 

腹水のみのウエットタイプはどうなの?

というわけで、腹膜炎という名前通りの症状である腹水貯留の症例を今年のFIP締めくくりに1つ共有いたします!

 

猫伝染性腹膜炎の中でも確定しやすいウエットタイプ。

ウエットだけに写真のような腹水がたまるのが特徴です。

その他の特徴は、以前のドライタイプと一緒で、

・発熱

・軽度の貧血

・高グロブリン血症

・SAA(猫の炎症マーカー)の上昇

など。

腹水中のウイルスをPCRで判定できるので、ドライタイプと違って確定可能なところが他の病気の可能性を考えなくて良いので助かります。

 

今月同居猫ちゃんが病院に来た際に、とても元気になった写真をいただきました!

 

症例は長毛ミックス君、発症は今年の5月で当時1歳4カ月。

元気ないけど一応食事はとれるレベル。

初診からすぐに苦いラゲブリオを頑張って投薬いただくこと3週間、

やっと腹水が改善!

さらに4週後には体重もみるみる増えて元気100%!

各種血液検査の数値も改善し、84日投薬で終了。

始めは投薬に苦労されていたので、猫ちゃんも家族の皆様もホントお疲れ様でした!!

こんなに元気なってくれるなんて、やはり一昔前では考えられませんでしたよ!

 

ウエットタイプは他の症例も治療終了後の経過が良好で、

もぐ動物病院としての印象は、腹水が引いて血液での異常値が改善するころから順調に体重が増えていく感じです。

逆に体重が増えだしたら、このままうまくいく兆候ということでは!?

去年完治した猫ちゃんたちは、今ではむしろ重たい部類に…

 

8月に投薬終了して、今月で4カ月目。

ここまで何もなければもう安心して治ったと言えそうですね!

FIPドライタイプもラゲブリオ単独投与でOK!!

 

このまま何事もなく新年を迎えてほしいです!
​​​​​​
​​​​​

 

ちなみにドライタイプのその後は…

 

年明けに報告します!
​​​​​​