その涙は伊達じゃない!外科的角膜疾患!?

2023/11/24 症例

眼科疾患の症例が続いていますが、今回はレーザー治療ではありません!

 

軽い眼の傷?と診断を受けていろいろ点眼を変えて治療しているけど、

2週間以上治らないとのことで来院した10歳のトイプードル君。

 

軽いものは数日で治りますので、1週間以上治らなかったら傷じゃないということ!

そんな病気は過去にも投稿したアレですよ、たぶん。

 

ということで点眼麻酔して、角膜をゴシゴシと…

やはりそうです!

角膜がどんどん剥がれていきます…

facebookに動画アップしてみました…リールって何?)

 

「自発性慢性角膜上皮欠損症」

頭文字をとって専門的にはscceds(スケッズ)。

診断名というより症状名?

 

良くも悪くもあまりならず、いつまでも眼が痛くて、いつまでも涙が止まらない!!

眼も困るけど、顔も涙でいつもびちゃびちゃ。

 

外科的介入が必要な症状なので、点眼での治療は難しいと思います。

専門医では全身麻酔下で行うことの多い処置ですが、

ホームドクターもぐ動物病院は皆様のお財布も助けたいので、点眼麻酔オンリーでやってます!

 

 

安心してください!だいたい行けます!
​​​​​

 

まず傷んだ角膜をきれいに剥がす。

 

それから、全集中して宇随天元の肆の型・響斬無間みたいなイメージで太めの注射針を握って角膜の表面をド派手にシャカシャカと!!

(良い子はマネしちゃダメだよ)

(もう1回facebookの練習で動画アップです)

 

後は抗菌点眼のみ1本処方して感染予防。

当院ではコンタクトや眼瞼縫合は治らなかったときにしているため、初回では行いません。

細菌感染症ではないので、これでだいたい何とかなります!

エリザベスカラーも不要。

健康な角膜はちょっとこすっても基本的に大丈夫。

カラーのせいで顔の皮膚炎になったり、外耳炎になったら申し訳ないですし。

 

そして処置1週間後…

ばっちり完治!

ブラシでこすっても、もう剥がれません!

涙も止まって、お顔もきれい!

 

 

この病気は角膜潰瘍などとは根本的に違う病気なので、治療も全く異なります。

家での治療は角膜潰瘍より余裕です。

より安全でより緻密な処置ももちろん提供できますが、お値段も4桁から5桁と一桁上がります!爆上がりします!!

技術の安売りというわけではありませんが、皆様との信頼関係の元、もぐ動物病院らしくいい塩梅でやっています。

小さな百草園のホームドクターですから!

そりゃ、やるときゃやれまっせ!

 

いつまでも痛いのは可愛そうなので、診断がとても重要ですね。

 

今日はFacebookに動画投稿に初挑戦しました。

いろいろ良く分かりません…