外科不適の子宮蓄膿症!敗血症からの復活!

2022/06/27 ブログ

今日は先日のハエウジ症例の続きです

 

子宮蓄膿症→敗血症性ショック→動けない間にハエウジ

こんな流れでしたが…

 

実はこの後さらに悪化して、尿毒症まで合併してしまいました。

当初は子宮蓄膿症の原因菌によるエンドトキシンの腎毒性で、

急性腎不全を起していると思っていました。

 

しかし、点滴治療で脱水を補って行っても、ほとんど排尿なし。

調子悪いにしても、さすがにおかしいので超音波検査を行ったところ

尿管の拡張!

尿管結石はなさそうなので尿道カテーテルを入れようと思いましたが、

これが入らない!

女の子なので入らないわけはないはずですが…

 

心配ですが、処置のために全身麻酔をかけてチェック。

膀胱を圧迫すると…

 

出た!…尿+蛆!!

 

どうやら蛆が尿道に入り込んで閉塞を起していたようです。

こんな経験初めて!

まだまだ知らない世界があるもので、日々勉強です。

その後はカテーテルを付けて、順調に尿が出るようになりました。

いろいろありすぎて、全身状態も悪すぎです。

 

通常の子宮蓄膿症は外科治療ですぐ直りますが、

基本的に手術ができるのは状態の良い子ということです。

この症例はイチかバチかのバチ感MAXなので、今回は注射による内科治療を迷わず選択。

オーストラリアからのお薬ですがAlizin(アリジン)という動物薬。

犬猫用ではありませんが、子宮蓄膿症に有効性があります。

 

2日連続で注射して、徐々に血液の数値も子宮の膿も改善していきました。

先日無事退院して、少し体重がもどったら再発に備えて避妊手術をする予定です。